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10. 運転中の「なんでだろう?」 安全なドライブのために「?」の正体をつかんでおきましょう

1. トンネルの中のミステリー

トンネルに入るとスピードが落ちてしまう!?

 気がついていない方も多いかも知れませんが、高速道路などを走行中、幅の狭いトンネルに入ると速度がトンネルに入る前より落ちていることがあります。これは体で感じるスピード(体感速度)がトンネル以外の部分より速く感じるため、無意識のうちにアクセルペダルを緩めているのが原因です。
景色がうしろに流れていく様子は乗っているクルマの速度が速ければ速いほど、またうしろに流れる景色が近ければ近いほど強い刺激となって目に入ってきます。トンネルに入ると今までひらけていた景色から一転、視界の両端にトンネルの内壁が入ってくるのでトンネルの外よりかなり近くで流れる景色が強い刺激となりスピードを緩めがちになるのです。バスなど車高の高いクルマに乗っている時より、スポーツカーと呼ばれるような車高の低いクルマに乗っているときの方が、うしろに流れる景色(=この場合は地面)が近くにある分速度が同じでも速く感じるというのと同じ理屈です。
ただしスピードが落ちるからといって意識的にスピードをあげる必要はありません(他のクルマの流れを著しく乱すような場合は別として)。トンネルは内壁が近く、昼間はトンネル外よりかなり暗いなどなど「危険な場所」であることには変わりないのですから無理してスピードを保とうとするのは危険です。またトンネル内の制限速度自体がトンネル外より低く設定されていることも多いですからね。


 前を走っているクルマが見えなくなる!

トンネルで前走車が蒸発 よく晴れた日のお昼頃、お買い物を終えて暗い地下の駐車場から外へ出たときや、トンネルから出た瞬間など「うわっまぶしい」と思うことってありますよね。そんな時に直前を走っているクルマが見えなくなったり、見えにくくなったりすることがあります。白色系のクルマやアルミなど銀色の荷台を載せたトラックなどが前を走っている場合にこの現象が起こりやすくなります。また夕暮れ時、空にわずかに残る夕焼けに気を取られていたら、前を走る黒いクルマが見えなくて追突しそうになったことなんてありませんか? どうしてそうなるのかというと・・・
人間の目は明るい色のモノにさらに明るい色を重ねたときにそのモノの形が識別できなくなる(=見えない、見えにくい)ことがあります。白や銀色など明るい色のクルマが強い太陽光線にさらされると全体的に太陽の光に包まれたように見え、クルマの形が見えなくなってしまうことがあります(「蒸発現象」といいます)。
一方、暗い色のモノにさらに暗い色を重ねたときにもそのモノの形が識別できなくなることがあります。空はまだ明るいのに路面近くはもう暗い夕暮れ時や、日中トンネルに入る瞬間など黒や暗色系のクルマが暗さに溶け込んでしまうことがあります(「溶け込み」といいます)。
各々個人差はあるものの、人間の目の宿命のようなものですから、この現象を無くすことはできません。ただしどのような場所や状況で起こるかというのをしっかり理解しておけば事前に心の準備をしておくことができますし、いざ見えなくなってもあわてることがなくなると思います。また追突されないための出来る限りの対応策としては、トンネルの出口では尾灯(テールランプ)をトンネルを出た瞬間より少しだけ間を置いて消し、夕暮れ時には早めに尾灯をつければ追突されることも防げるはずです。



 トンネルで幅寄せされている?

 「片側2車線の高速道路で並走していたクルマがトンネルに入ったらだんだんと近寄ってきてひやっとしたなあ」と感じたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に意図的に幅寄せされたケースもあるかも知れませんが、勘違いのケースもあるようです。
トンネル内は前項でも触れたように内壁が近くにあるため、トンネルの外と比べて圧迫感を感じることが多くあります。また外との明暗の差が大きい昼間や、トンネルの内壁に近い部分の路面が汚れやホコリなどで見えにくいような場合は「壁にぶつかっちゃうかも!」という心理的なプレッシャーも増します。それらが原因となってトンネルの内壁から離れようとする心理が働き、中央寄りを走る傾向があります。
片側2車線の道路で並走しているケースでは、左車線のクルマは右寄りに、右車線のクルマは左寄りに走りがちになるので「隣のクルマが近寄ってきた!」と感じるわけです。もうおわかりでしょうが、お互い近寄っているのですから、相手のクルマも「隣のクルマが近寄ってきた!」と思っているかもしれません。
またクルマどうしが近づいてしまった場合、「ぶつかりそうだなあ」という意識からそのクルマから目が離せなくなります。そして凝視したものに近寄っていってしまう「視覚吸引作用」の影響によってさらに近づいてしまうこともあります。
ひやっとする前に並走しないようにタイミングをずらすか、少し前方の白線などに目標をおき直進性を保つような運転を心がけたいですね。


2. 目の錯覚がもたらす“危ない一瞬”

 危険なものほど吸い寄せられる?

トラックの傍を走るクルマの視界 目が「釘付け」になるのは魅力的なものに対してばかりではないようです。自転車などで急な坂を下っていてスピードがコントロールできなくなり、進行方向に現れた木や壁などに「うわ〜ぶつかる!!」と慌てながらもどんどん近づいていってしまい、結局見事にぶつかってしまったなんてことありませんか?あとになってよくよく考えると、ぶつかってしまったものを「危ない」と意識し始めてからぶつかる瞬間までず〜っと見つめている場合が多いはずです。
 クルマを運転していても同様のことが起こり、「ちょっと近づきすぎちゃったなあ」と感じた前を走るトラックの荷台に書かれている文字や、斜め前を走るクルマのウインカーなどから目が離せなくなり、知らず知らずのうちにもっと近づいていたりすることがあります。人間の視覚は「意識」と深く結びついています。「あの人かっこいい」「あの料理すごくおいしそう」など興味を惹かれるものや、「あの犬こわいなあ」「路上に落ちているあの箱このまま走ったらぶつかるなあ」など危険を感じるもの、つまり良くも悪くもより強く意識が向くものに視線が集中してしまうのです。
 これを「視覚吸引作用」といいます。限度を超えると「うわ〜あぶない」と思いながらも「視線がはずせない、ハンドルもきれない」といったパニック状態に陥り大変危険です。対策は「凝視しているものから目を離す」と文字にすれば簡単ですが、無意識のうちに一点を凝視している場合がありますので、視線が釘付けになるとそこに近づいてしまうことがあるということを頭の中に入れておき、そういう状況になりそうな時は意識的に周囲に視線を配るように心がけて下さい。 また忘れがちですが凝視してしまうものは車外ばかりではなく車内の場合もあります(この場合脇見運転していることになりますからさらに危険ですね)ので「ダッシュボードの上に置いた落ちそうな荷物」など気になって運転の妨げになるようなものはドライブ前に片付けておきましょう。


 ちゃんと見ているのに追突しそうになった!

 覚醒レベルが低い(=眠い)場合にも起こりますが、眠くない場合でも起こることがあります。いわゆる「心ここにあらず」の状態の時には、前をしっかり見ているのにハッと気がつくと前のクルマが停まっていて追突してしまったり、信号が青になったのに気付かず後続のクルマにホーン(クラクション)を鳴らされてしまったりすることがあります。
 運転免許を取って間もないころは運転操作や周囲の交通状況に注意を払うことに精一杯なのでボーっとしていて追突するということはあまりありませんが、運転にも慣れ、道にも慣れてくると心に余裕が出ます。車内での会話を楽しんだり、ロングドライブの時に必要以上に疲労しないためにも運転に慣れることは大事なのですが、「今日の仕事うまくいくかな」「夕飯の献立何にしよう」「彼女とケンカしちゃったけどどうやって仲直りしようかなあ」などなど考え事をするようになると慣れが油断となり「心ここにあらず」の状態を作り出してしまうのです。
 興味があるものに意識がいってしまうのは視覚吸引作用のところで触れましたが、「目に見えるもの」ではなく、心配事や夢中になることなどの「考え事」に意識が向いてしまうと視覚吸引作用とは反対にどこも漫然と目に映っているだけの状態になり、クルマの周囲の状況に注意が向かなくなってしまいます。「目の脇見」も「意識の脇見」も心の欲求の素直な現れであり、誰もがしたくなってしまうものですが、車の運転中はその欲求をコントロールし、クルマの運転へ向ける意識を高めるように心がけるしかありません。考え事をしながら漫然と運転することは目をつぶって運転するのと同じくらい危険なのですから。


 上り坂なのにスピードが出てしまう?

 上り坂なのにアクセルをそのままにしていたらスピードが上がってしまった、あるいは下り坂なのに気がついたらスピードが落ちていたなんてことがあります。これはクルマの調子がおかしくなった場合を除けば、目の錯覚が原因のようです。
 上り勾配の錯覚を例に取ると今走っている上り勾配の先に緩やかな上り勾配が続く場合、その緩やかな上り勾配が目の錯覚で下り勾配に見えてしまうことがあります。そのため「下り勾配に入ったのにスピードが上がらない!」というように感じることがあるわけです。
 高速道路以外ではこの錯覚が起きる場所が「ミステリースポット」と称する観光ポイントとなっているところもあるようですが、高速道路など、こと道路交通に限っていうと(錯覚が起こるか起こらないかにかかわらず)勾配の変わり目というのは交通の流れを乱す危険なポイントであり、速度の変わり目でもあるため渋滞の原因ともなりうるあまりありがたくない場所といえます。目の錯覚は誰にでも起こりうることなので錯覚を防ぐことは難しいですが、知識として「上り坂が下り坂に、下り坂が上り坂に見えることもある」と頭に入れておけば慌てずにすみますよね。


 運転中の「?」を、いろいろと取り上げてみましたが、どれもなぜそのような状態になるのか理解しておくことが大切です。正体の分からないものには恐怖感を抱いてしまうものですがメカニズムを知っておけば、慌てることなくどのように対応すればよいか判断しやすくなり、より安全にドライブを楽しむことができるはずです。



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