2. Snow & Drive  雪道のドライブ・ワンポイント(チェーンの章)

1. 雪道への必携品アレコレ
「備えあれば、憂いナシ」

 普段の走り慣れた道路でも、一度雪が積もったり、凍結したりすると、予想しないいろいろな状況が発生します。どんなコンディションでも対処できるように、この季節には装備しておきたいものがあります。

 まずタイヤチェーンは必携です。スタッドレスや4WDも万能とはいえず、アイスバーンの前には非力な場面もあります。

 ジャッキも必須です。日頃はトランクスペースの邪魔になるからと車庫の中に転がしていては後で泣くことになります。ジャッキと併せて、付属パーツも忘れずにチェックしておきましょう。また新聞紙やボロ布もあると便利です。ドライブインに立ち寄ったときに買った新聞紙でもかまいません。トランクの隅にでも置いておきましょう。泥道にスタックした時や、使ったチェーンを拭いたり、チェーン装着の時、足下や膝の下に敷いて服が汚れるのを防ぐのに役立ちます。

 針金・ガムテープ・長靴も用意しておきましょう。軍手も忘れないで欲しいのですが、できればゴム手袋(炊事の際に使うやつで充分です)がベター。軍手だと雪で濡れると凍ってきて指の感覚が怪しくなることがありますが、ゴム手袋だと手首までスッポリ入るので、服の袖口も汚れません。

 忘れがちですが懐中電灯も便利です。夜間凍結とか、夜半の降雪という場面が少なくありません。高速道路のチェーン装着場は夜間照明がありますが、車体下まで灯りが届かないこともあります。チェーン装着・脱着時に手元を照らすためにもぜひ備えておいてください。

 できれば、牽引ロープやブースターケーブルもあれば鬼に金棒です。万一の時には重宝するはずです。「備えあれば憂いなし」はスノードライブでもりっぱな格言といえるでしょう。

2. タイヤチェーンは目的と予算で選ぶ

 現在、タイヤチェーンは数多くのタイプ、材質のものが出回っていますが、それぞれの特性も異なっています。あなたの目的と予算によって選択肢も異なってくるはずです。それぞれのタイプや材質を紹介しましょう。

● はしご型(金属)
  昔からあるタイプです。価格が比較的安く、収納性がよいことがメリットです。アイスバーンなどの凍結路でも効果を発揮しますが、乗り心地が快適とはいえないことや横滑りしやすいという難点があります。

● 亀甲型(金属)
  はしご型に横滑りの弱点を改良したタイプで雪質を問わず高い走破性を発揮します。凍結面での対応力も強く、装着が簡単な商品も多く販売されています。

● リング型(金属)
  亀甲型にリングをつけたタイプのもので、装着時間が短くてすみます。女性でも装着しやすくジャッキアップ等の操作も不要です。但し、金属製では最も高価です。  リング型(金属)

● はしご型(ゴム・ウレタン)
  ゴムやウレタンでできたチェーンで、騒音や振動が少ないのが特徴です。金属に比べて軽量ですが、金属製のはしご型同様、横方向のグリップ力が弱いという難点があります。 ゴム型

● ワンタッチ装着型(ゴム・ウレタン)
  あらかじめアタッチメントをホイール側に取り付けておき、タイヤカバーのような器具をタイヤにセットするだけのタイプです。脱着は簡単ですが、収納時に器具がかさばることや価格が高いことが難点です。

● ネット型(ゴム・ウレタン)
  亀甲型よりもずっと目を細かくネット状にしたタイプです。振動や騒音が少なく金属製のチェーンに近い走破性を発揮することが特徴です。ただしタイヤを包み込むような形状のため、寒さでチェーンが硬化したときに装着がやや面倒になります。また価格も高価です。 ネット型

3. タイヤチェーンの装着
予行演習はぜひ、やっておきたい!

 ここでは最もポピュラーな、金属製はしご型チェーンの装着方法について紹介しましょう。チェーン装着の際は、必ず平坦な場所を選びます。できるだけ路面状態の良い、広い場所が最適です。坂の途中などは危険を伴いますので避けてください。

 装着前に、軍手やゴム手袋は忘れずに。夜間なら防寒具も着て車外に出た方がいいでしょう。

1) まずチェーンには裏・表があることを確認してください。縦と横のチェーンを接続している側、いわゆるチェーンのコマの折り返しがある側が路面に接地するようにします。間違えるとパンクを招くこともあるので注意が必要です。

2) また、チェーンの外側・内側も注意します。はしご型等の場合、多くはタイヤ外側にあたるチェーンのジョイントにはS字フックが、タイヤ内側にあたるチェーンのジョイントには単純なフックが使われています。チェーンの外側にS字フックがくるように注意します。

3) クルマの前後(前輪駆動車なら前、後輪駆動車なら後ろ)に、チェーンをタイヤ幅に合わせて、きれいに伸ばし広げます。 1

4) 広げたチェーンの上にタイヤがまっすぐに乗るように、クルマを移動させます。 1

5) チェーンの両端を内側(タイヤ裏側)、外側(タイヤ表側)の順にフックをかけて止めます。この時、できるだけチェーンを引っ張りながら、全体が均一に張られるようにしましょう。外側のS字フックは、たるみの少ない位置に引っかけます。S字形のプレートをチェーンにかけ、折り返しながら、切り欠きのついたチェーンにかけて、完全にロックしておきます。このチェックは決して怠らないようにしてください。 1

6) チェーンのたるみ防止用の付属のバンドをかけます。たるんだチェーンをビシッと張るような感じで、均一に締めるように張っていくのがコツです。 1

7) 余ったチェーンはそのままにせず、付属のパーツや針金でチェーンに縛っておきます。これを怠ると、タイヤハウスが傷ついてしまうことがあります。以上で完了です。実際に走行するときは、走り出してしばらくしてから、チェーンの張り具合などを再確認しましょう。不具合がないようなら、OKです。 1

 チェーンは、購入したらぜひ予行演習してください。装着練習することで、実際の場面での装着時間は驚くほど短くなります。冷たく寒い雪の中でのチェーン装着はできるだけ手短に済ませたいものです。予行演習しておけばサイズ違いやチェーンの劣化などの不具合も事前にわかるはずです。

ここでは、標準的なチェーン装着を紹介しました。他の方法として、同じはしご型チェーンでも、前輪駆動車ではタイヤをハンドル一杯にきった状態にして、チェーンをタイヤの上にかぶせて装着していく方法があります。また、人によっては、ジャッキアップしてしまった方が早いというドライバーもいるでしょう。要は、予行演習をして、その人にあった装着方法をマスターすることです。

動画:「練習しておきましょう。タイヤチェーンの付け方」(JAFチャンネル)

4. スノーチェーン・ワンポイントアドバイス

 スノーチェーンといえども、雪道に万能ではありません。スノーチェーンについて、 ワンポイントアドバイスを紹介いたします。

1) スノーチェーン装着時はスピード厳禁!
チェーンも高性能になり、また道路の整備状況もアップし、雪道も昔ほどの驚異はなくなってきています。そこで、ついスピードをあげる人もいるかもしれません。
しかし、所詮、タイヤチェーンはタイヤの補助具にすぎません。いくら、タイヤにフィットさせるように装着しても、タイヤは高速回転しており、遠心力はタイヤチェーンにも働いています。走行中は、必ずタイヤとチェーンは離れているものと考えてもよいでしょう。
したがって、スピードを出しすぎるとチェーンが切れてしまうことが十分にあり得るのです。金属製チェーンでは30km/h以下、非金属製チェーンでは50km/h以下がスピードの目安です。

2) ホイールキャップは雪道に不要
最近のクルマは装飾性もあり、タイヤに樹脂製ホイールキャップが付けられています。このホイールキャップは、タイヤやリムより出っ張ているものが多く、タイヤチェーンをかけると、チェーンを張るためのゴムバンドやフックがちょうどここに当たることになります。
この状態で走行すると、やわらかい樹脂製ホイールキャップに傷が入ってしまいます。雪道では、クルマの装飾になるホイールキャップは不要です。自宅に置いておくほうが無難でしょう。

3) タイヤチェーンをかけるタイヤにも要注意!
あなたが、もしスタッドレスタイヤにチェーンを装着するのなら、次の点も注意してください。
スタッドレスタイヤは、通常のタイヤに比べると、タイヤの形状が大きく角張っているため、外寸が大きくなっています。そのため、チェーンのサイズは合っていてもチェーンが付かないと言うこともあり得ます。
自分がどのタイヤに装着するかをよく確認した上で、チェーンを購入してください。

4) チェーンのお手入れと点検も忘れずに!
金属製チェーンは使用後そのままにしておくとサビついてしまうことがあります。また非金属製の場合は時間の経過とともに強度や弾力性が低下してしまうことがあります。使用後には水分を取り除いてから収納するなどお手入れをするよう心がけてください。
また、チェーンを使う時期になる前に破損や不具合がないかチェックすることも大切です。忘れがちですがチェーンを固定するためにかけるゴムバンドも切れやすいので十分に点検してください。

5. 関連リンク(JAFクルマ何でも質問箱)

雪道の運転ではどんなことに注意すればよいのですか?

チェーン規制時はスタッドレスタイヤ装着でも走行できない?

豪雪で身動きが取れなくなったときの対応は?


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