6.睡魔 ひやっとした経験はありませんか?

1. 何で眠くなるの?

 眠りには人間が持っているリズムが深く関係しているようです。

イメージアニメ (1) 眠くなる要因

  日帰りスキーの帰りや年末年始の帰省などで耐えられない睡魔に襲われた経験をお持ちの方はかなりいらっしゃるかと思います。主な要因をあげてみましょう。

  • 睡眠不足
      睡眠が足りないのですから眠くなるのは体の自然な反応です。睡眠は量(睡眠時間)とともに質(睡眠の深さ)が重要ですので、うたた寝のような浅い眠りを長時間採っても寝不足になってしまうケースがあります。また夜眠るより昼間に眠る方が眠りが浅くなる傾向があります。

  • 単調感、緊張感からの開放感
      重要な仕事が終わった帰り道など緊張から開放されてホッとした時やカーブの少ない高速道路を長時間走り続けた時などに睡魔が忍び寄ってくることがあります。

  • 快適な車内
      最近の車はほとんどと言っていいほどエアコンが装備されていて、真夏の炎天下や真冬の朝でも車内の温度は快適に保たれます。快適な車内はドライブには必須ですがそんな状況が長く続くと眠くなることがあります。

  • かぜ薬等を飲んだ
      かぜ薬には眠くなる成分が含まれているものがあります。使用上の注意の欄をよく読んでみてください。

  • 眠くなる時間帯
      人間の脳の覚醒水準(意識がハッキリしている度合)はほぼ1日単位で規則的な波があります。つまり覚醒水準が低い(眠くなりやすい)時間帯と高い(ハッキリしている)時間帯がある程度決まっているということです。覚醒水準が低い時間帯に運転すると睡魔が襲ってくることがあります。覚醒水準のリズムについてはこの後もう少し詳しく探ってみましょう。

 以上のような要因が絡み合って睡魔は襲ってくるのです。体調の悪いときはドライブを中止する決断も必要です。


(2) 覚醒水準のリズム

 覚醒水準は、およそ25時間を1単位とする生物時計(体内時計)のリズムに依存していると言われています。25時間単位では1日1時間ずつズレてしまいそうですが、同じ時間に起床するなどして規則正しい生活をすることにより、無意識のうちに調整され1日(24時間)単位のリズムが繰り返されます。年齢や性別、個人による差はあるものの、一般的に現れる覚醒水準は6時頃が一番低く、10時ごろに一番高くなり、13〜16時頃にかけて少し低下します。そこから19時頃にかけて再び上昇し翌日の6時頃にかけて徐々に低下していきます。昼食を取ったあとや真夜中に運転していると眠くなることがあるのはこの覚醒水準の低下が大きく関係しており、高速道路における居眠り運転事故発生率も未明と13〜15時頃に高くなっています。ちなみにスペインをはじめとする地中海沿岸地域や東南アジアの一部地域において昼寝の習慣がありますが、これは覚醒水準のリズムにかなった自然な行動ともいえます。

  現代の日本において覚醒水準の高い時間だけ運転するということには無理がありますが、ドライブの計画を立てるときには事前に体調を整えることと併せてこのリズムを考慮して、いつ頃眠くなりやすいのか意識しておくことが大切です。


2. ドライブ前にできること

 月並みですがやはり準備が大切です。

  • 睡眠
     当たり前ですが十分な睡眠をとり脳や身体を休息させるのが一番効果的なのです。ただし前日にたくさん眠ればそれでよいというわけではなく、規則的に十分な睡眠時間を確保するのが理想的です。「出発前日は忙しいので出発2日前に2日分寝る」というようないわゆる「寝だめ」は一般的には出来ないようです。また「十分な睡眠時間」には個人差があり、6時間で十分な方もいれば7時間でも足りないという方もいます。大人の場合一般的に6〜9時間といわれていますが、寝起きがスッキリする睡眠時間を自分自身で把握しておくことが大切です。覚醒水準が低下する(眠くなりやすい)夜間に寝るのが一番効果 的ですが、いつ寝ても睡眠時間4時間以下ではドライブするのには危険な状態であると言えます。

  • 体調管理・体力向上
     体調が不十分な場合、健康時より早く疲労を感じるようになります。注意力や集中力も低下しやすくなるので睡眠と共に体調をきちんと整えておきましょう。また長期的な観点から見ると、長時間ドライブをする場合、体力があった方が覚醒水準の低下する度合が小さいようですので、適度な運動によって体力の維持・向上に努めることは安全なドライブのためによいことだといえます。

  • ドライブプランを工夫する
     綿密に計画を立てて、それに従って行動するのを好む方と行く先々で行動を考え「あての無い旅」を好む方がいらっしゃるかと思いますが、最低限前もって出発の日時くらいは決めておいた方がいいでしょう。眠くなりそうな時間帯の出発を避け、出発後眠くなったら休憩が取れるように時間的な余裕をもたせた計画を立てておきましょう。

3. 効果的な対処法はあるの?

 しっかり準備をして出かけたのにそれでも眠くなってきた・・そんな時はどうする?

 日帰りスキーで夜まで滑って帰りに高速道路を走っていたらあくびが出るようになり、まぶたが重〜くなってきたとか、海水浴の帰りに渋滞を抜けやっとの思いで家の近くまでたどり着きほっとして信号待ちをしていたら、いつの間にかウトウトして後続のクラクションで目がさめた、なんて経験ありませんか。ドライブ先で襲ってきた睡魔に対抗する方法を探ってみましょう。

  • 仮眠をとる
     「眠い」のですから眠るのが一番効果的です。何時間も眠る時間はないという方は効率的な仮眠の取り方を覚えておくとよいでしょう。どのくらい眠ればある程度スッキリするかというのは個人差が大きく、15分でOKと言う人もいれば1時間寝ないとだめという人もいて一概にはいえないのですが、覚醒水準の側面から考えると20分前後の仮眠が適しているようです。起きた直後は一時的に判断力や正確性が低下していますので、すぐ出発するのは危険です。車外に出て軽く体を動かしたり、高速道路のサービスエリア等であれば顔を洗ったり、売店や休憩コーナーなど比較的明るい場所に入って眠気を覚ましてから出発してください。

  • ガムを噛む
     試したことがある方が多いと思いますが、ガムを噛む行為によるあごの運動が脳を刺激し眠気防止効果があるとされています。またカフェインなど覚醒効果のある成分が含まれている眠気防止ガムも広く販売されています。

  • コーヒー・お茶などを飲む
     これも定番といった感じですが、コーヒーやお茶類には覚醒効果のあるカフェインが含まれていますので眠気防止効果が期待できます。

  • 顔を洗う
     冷たい水で顔を洗うか冷たいおしぼりなどで顔を拭くと一時的な覚醒効果があります。しかしながら効果はあまり長続きしないようなので他の手段と合わせて行なった方がよいでしょう。

  • スッキリする香りを嗅ぐ
     昨今香りが精神に与える効能を利用したアロマテラピーが広く知られるようになってきましたが、ペパーミントやジャスミン、ローズマリーなどの香りは気分をスッキリさせ、集中力が増す効果があると言われています。ただ香りは好き嫌いがあり、嫌いな香りを嗅ぐと不快になったり、イライラして逆効果の場合もありますので、専門店などで相談してから試みたほうがよいでしょう。


  • 眠気覚しには、エアコンを賢く活用。もちろん窓開けも効果的。

    会話する・ウィンドウを開ける・歌を歌う
     同乗者がいて眠っていないのであれば会話につきあってもらいましょう。ただし会話に夢中になりすぎて前方不注意にならないように気をつけてくださいね。渋滞中でなければ窓をあけて空気(風)をとりこんで頭や顔に刺激を与えてください。同乗者がたくさんいる場合は歌合戦なんてどうでしょう。車内もにぎやかになるので一定の覚醒効果はあると思います。

  • 眠気防止グッズを利用する
      ヘッドレストに固定して頭を冷やす水枕風のグッズやメンソールの刺激で眠気防止を狙ったおしぼり風のグッズなど体に直接刺激を与えるものから、森林や滝の周辺などにも多く漂っているマイナスイオンを含んだ空気が持つ、ストレスを緩和し気分をスッキリさせる効果を利用した、マイナスイオンを発生させる車載型の空気清浄機など周辺環境を整えて眠気を防止するものまでいろいろあります。その他にもカー用品店などでいろいろな工夫をこらしたグッズが販売されていますので、その中から気に入ったものを探してみてください。

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