選ぼう使おうACC-くるま社会の未来を変えるスーパーアイテム。あなたのコメントがクルマの未来を変えるかも!

西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

本コラムページには、読者からACCに関する多数のコメントが寄せられています。その中のこれはというコメントをテーマにとりあげ、当ACCサイトの執筆/監修を行う西村直人が編集担当に解説する形で話が進みます。

読者のACCの疑問に回答「前方のバイクが認識出来ていない?」(イメージ)
編集担当

この冬、なんかすごく寒いですね。強い寒波が次から次に日本列島にやってきて、各地から雪による交通障害のニュースが伝わってきます。ところで、雪道運転に対応するACC(をはじめ先進安全技術)ってあるんでしょうか?

西村さん

雪道ではいわゆる車両の挙動を安定する技術、すなわち横滑りを抑制する「車両挙動安定装置/ESC」や、車輪のロックを防いで安定した制動力を生み出す「アンチロックブレーキ/ABS」などがその代表例です。

ACCは使用しているセンサーの種類によって多少の降雪や降雨でも機能するものがありますが、当然ながら冬場は路面温度が下がっていることからタイヤの摩擦力が低下するため、ドライバーの判断で使用を中止するか、使用する道路状況を限定することが求められます。

私はこれまでACC付き車両を10年ほどマイカーとしていますが、その経験上、雪道や吹雪では先の理由に代表されるように安全な運転環境が得られないことから使用していません。

また、こうした降雪などの悪天候下では、ミリ波レーダーセンサーの場合、カバー部分に雪が付着してしまいセンサーそのものが正しく機能しなくなる恐れがあります。その場合は、車両の表示パネルに「使用不可」である旨が表示されます。光学式カメラセンサーの場合でも、降雪状況によってワイパーでの払拭では間に合わないことがあり、やはりその場合でも「使用不可」となることがあります。

いずれにせよ、天候の悪化や路面状況が悪くなりやすい冬場のACC走行は極力避けつつ、どうしても使用しなければならない場合は、いつも以上に注意深く運転操作を行うことが大切です。

編集担当

さて今月は、バイクが前方を走っているときに感じたこちらの読者のご意見からです。どうぞ!

前方のバイクが認識出来ていない?

「ACC走行中、バイクが前方にきた時に認識が出来ていないような現象が出ます。特に前方バイクの前に車が走行している場合、バイクの前方車両を感知している様で車間を詰めていき怖いです。利用者の皆さんは感じませんか?」

(ホンダくまさん 50代男性/大阪府)
編集担当

こんなことが実際にあるんでしょうか?それはバイクの大きさが関係しているんでしょうか?

西村さん

ACCで使用しているセンサーの種類に大きく左右されるのが前走車の認識性能です。一般的にバイクの場合はクルマと比較して車体の面積が小さくなるため、認識性能が著しく低下する場合があります。

前走車を画像としてとらえる光学式カメラセンサーの場合、夜間は前走車のテールランプなども認識しながら追従走行を行っていますが、やはりバイクの場合はテールランプの光る面積や輝度そのものが弱くなることが多く認識率が悪化する傾向にあります。

昨今、ACCと衝突被害軽減ブレーキのセンサーは共有されることが多くなっていますが、バイクは車体面積が小さい上に車体を傾けて曲がる「傾斜走行」を基本としていることから、正確に認識し続けるためには高い技術が必要です。

ご質問にあるACCを使用したバイクに対する追従走行ですが、バイクを前走車として追従するACC走行は危険ですので極力避けてください。仮に、バイクを認識しながらのACC走行ができていても、前述した理由などから、突然センサーが認識しなくなることが考えられ、最悪の場合、バイクに急接近してしまう場合が考えられるからです。

このあたりは、お乗りになっている車両の取扱説明書にも使い方として詳細が記載されていますので、熟読の上、正しくお使いください。

編集担当

なるほど…、今度バイクが近くを走っていたらその点に気をつけます。次のご意見はこちらです。

読者のACCの疑問に回答「前方のバイクが認識出来ていない?」(イメージ)
保険、税制の面から、ACC装着車の普及を促す施策を!

「絶対といえるほど安全な車になる高齢化社会に向かう日本社会に必要な装置、装着車には保険、税金の減額等あらゆる手段をとって普及すべき、うっかりを予防でき事故の軽減につながる。 保険会社がも少し普及に力を入れるべきか!」

(nedumiさん 60代男性/宮崎県)
編集担当

高齢者の交通事故を抑制することが期待できるACC(をはじめ先進安全技術)ですが、その普及のために保険や税制などの面から必要な施策ってありますか?

西村さん

仰る通り、衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術による事故低減効果は実証されはじめています。2018年1月1日以降、衝突被害軽減ブレーキ搭載車の保険料が9%安価になる「ASV割引」が新設されています。しかし、どんな衝突被害軽減ブレーキ搭載車でも対象となるわけではなく、適応条件などが細かく定められているため詳細は加入されている保険会社にお問い合わせください。

こうした保険会社が商品として販売している自動車保険の保険料は、保険金の支払いに充当される「純保険料」と、保険会社の事務経費にあたる「付加保険料」の2種類から構成されています。このうち純保険料は、損害保険料率算出機構や金融庁との連携を深めながら設定や見直しが行われています。

ご質問にある普及に関しては、一定条件を満たした先進安全技術搭載車を購入する際に減税されるなどの措置が公平性の担保という意味では確実性が高くなると考えています。また、先進安全技術の普及率が高まることでセンサーの価格が安価となることも将来的には期待できるでしょう。

読者のACCの疑問に回答「保険、税制の面から、ACC装着車の普及を促す施策を!」(イメージ)
いかがでしたか? ACCってどんな技術なのかがおわかりいただけたでしょうか?

公開日 2018年02月23日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)

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