ドライバーはいったいいつ、ヘッドライトを点灯しているのか(JAF Safety Light)

「ドライバーは、いつ、ライトを点け始めるのでしょうか?」
全国のJAF職員が、この疑問に答えるため、歩道橋の上などから、通行する車のライトを凝視して、一生懸命調査しました。この全国調査から、いったい何が分かるのか。シートベルト、チャイルドシートに続く、JAF全国調査第3弾。驚きの結果をご覧ください。

調査はこのように行われました

調査方法 日没30分前から日没後15分までのヘッドライト点灯率を、1分ごとに目視で数えた台数を記録しています。
調査対象 1、3、4、5、7ナンバーの自家用自動車(1ナンバーのトラックは調査対象)。
調査条件 (1)全国47都道府県で、10月15~11月4日の間で、空に占める雲の割合が3割以下の晴天の日に実施しています。
    (2)東西に走る道路は、西日の影響を受けやすいと判断し、調査場所から除外しました。
    (3)ヘッドライトの消し忘れが発生しやすいトンネル付近も調査場所から除外しました。
    (4)LEDイルミネーション、DRL(デイタイム・ランニング・ライト)、フォグライトなどはヘッドライトの点灯とみなさず、またどちらか分かりづらい場合も調査対象から除外しました。
キャラクターセリフ「先輩インストラクターのリポートです。」

全国調査結果から読み取る3つのポイント

JAFのニュースリリースには、今回の結果概要として3つのポイントが挙げられています。そのポイントに沿って見ていきましょう。

照度グラフ晴天

ポイント1.JAFがすすめる日没30分前に、ヘッドライトを点灯していた車は全体の0.9%。

グラフを見てみると、日没30分前はおろか、日没5分前~日の入り時のヘッドライト点灯を実践しているドライバーは10.3%しかありませんでした。でもその数字にスモールライトの点灯車を含めると実に36.2%に増加します。もちろんスモールライトを点灯しても、ヘッドライトの点灯とは見なされませんが、この数字、見方を変えると少し違う意味をもってきます。

それは36.2%=「日没前にライトのスイッチに手を伸ばしたドライバーの数」、という風に考えることができるからなのです。つまり、意識としてライトに関して何らかのアクションを起こさくてはと思ったドライバーの意思があらわれた貴重な数字とも言えます。
このドライバー群がヘッドライトの重要性を知り、スモールライトからヘッドライトに切り替えるだけで薄暮時のライトの点灯は確実に一歩進むことになります。

ポイント2.道路交通法で義務付けられている日没時のヘッドライト点灯率は22.8%。

次に日没時のヘッドライト点灯率を見てみましょう。日没にはヘッドライトを点灯しなければならないと道交法第52条で定めてますが覚えていますか(笑)。 調査結果によれば実際に点灯している方は22.8%…… これは由々しき事態です。道交法違反ですよぉ~、みなさ~ん。

さらにスモールライトのみの方も結構います。この方々がどうして『スモールライトのみでいい』と判断しているのか、いろいろな理由こそ想像できますが、ともあれ、日没時には『スモールライトのみの点灯ではダメ』ということを知っていてほしいですね。

ポイント3.日没5分後では44.1%、10分後では72.7%と、日没後にヘッドライトを点灯するドライバーが急増。

グラフを見てください。日没前後5分間、さらに日没10分後と点灯率が急激に増加します。
その時間帯にいったい何が起きているのでしょうか? そこで、同じような条件の日に、全天空照度と点灯率の関係を調べてみました。
下のグラフは、「薄暮の明るさはどれくらい?」で紹介した天空照度の推移に、ヘッドライトの点灯率を重ねたものです。(あのときに、実は点灯率調査も行っていたのでした。)
これを見ると、やはり日没時は368ルクス(lx)とまだ空に明るさが残っています。その明るさは一般家庭のリビングくらい。点灯率も伸びていません。ところが、そこから急速に照度が落ちていきます。日没5分後には197lx、10分後には84lxです。(かなり暗い)そのときに点灯率も急増していきます。ということは、やっぱり、ドライバーの皆さんは日没時刻は意識していなくて、自分の見た目で明るいか暗いかを判断し、ヘッドライトを点灯している方が大多数ということなのでしょうね。

照度グラフ晴天

「都道府県別、勝手にランキング」をやってみました

ところで、今回の結果発表には、都道府県別の点灯率も公開されています。 

ちょっと見ただけでは分かりづらいので、勝手かつ独断で点数化してみました。計算方法は、早期点灯に高得点、遅いほど低い点となるよう以下のような点数を配分し、その点数に点灯率を掛け算して合計します。

《点数の配分》
日没30分前……100点 、日没25分前……90点、 日没20分前……80点、 日没15分前……40点、 日没10分前……30点、 日没5分前……20点、 日没時……10点、 合計370点
すべての車が日没30分前に点灯していると370点満点、すべての車が日没時にやっと点灯すると10点です。
繰り返しになりますが、これはJAFの公式発表ではありません。あくまでも、この記事に興味を持ってもらうための、担当編集者による独断「勝手にランキング」ですのでその旨ご承知置きいただいて読み進んでいただければ幸いです。

照度グラフ曇天

さて今回の栄えあるヘッドライト点灯率第1位に輝いたのは・・・東京都でした。
2位以下を引き離して堂々の1位ですね。以下、北海道、埼玉、岩手、神奈川、と続きます。
そうはいっても、1位の東京都のヘッドライト点灯率でさえも、32.7点という得点の低さ、満点中得点が10%にみたない実態です。

これをお読みのメディア関係者の方々、特にラジオ局のパーソナリティの皆さん! 日没時刻に一言、ドライバーさんにお声掛けいただく「ライト点灯運動」 をJAFと一緒にしませんか~。