JAFユーザーアンケート~ヘッドライトって、いつ点けるの?(JAF Safety Light)

JAFでは、ヘッドライトについてユーザーアンケートを実施。夕方、いつくらいからヘッドライトを点けるかを調査したところ、“点灯のタイミングがよくわからない”と困っているドライバーの多いことが判明しました。

意外と優秀!? 早めのライト点灯事情

今回のアンケートによると、早めのライト点灯を「実践している」という回答が8割にも達しています。この結果だけを見ると、ヘッドライトの早期点灯は、日本の交通社会ではほぼ実現されている! と捉えることができそうですが……。しかし! ここにひとつ、大きな落とし穴がありました。

早めの点灯を「実践している」と回答した方々のなかで、本当にきちんとヘッドライトの点灯をしているのは約40%。スモールランプやフォグランプの点灯が多数派でした。早く点灯しなくてはいけないのはわかっているけど、ちょっと控えめな点灯。それはあたかも、授業中に答えがわかっていても、率先して挙手せず、周囲に合わせてそーっと手を上げる優等生のよう。日本人らしい奥ゆかしさ、のようにも感じますが、ヘッドライトの早期点灯は安全のため。みなさん、自信を持って早期点灯をする優等生になりましょうね。

ところで、このフォグランプですが、日本の法律では設置義務はありません。そのため、車種によっては装備されていたり、されていなかったり。日本の道路を走るすべての車に装備されているわけではないんですね。フォグランプでは、ヘッドライトを点けたことにはならないので、気をつけましょう。※下記編集部注参照

スモールランプ・フォグランプではNG!!
  • 注記(2015年4月17日) 道路交通法52条の2項では、「他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。」とされており、道路交通法施行令20条で「どのように灯火の光度を減ずればいいか」が示されていますが、JAFとしては、安全のためにはフォグランプではなくロービームを点けるように啓発していきます。

早期点灯しない理由 その1 夜間っていつ?

さて、それでは早めの点灯を「実践していない」理由ダントツ1位はなんでしょうか?それは“ 点灯のタイミングが明確でないことが困る”でした。
ヘッドライトを点けるタイミングは、法律で決められています。それによると、「夜間、道路にあるときは、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火を点けなければならない」(道路交通法第52条)ので、「点灯タイミングは夜間です」と、明確といえば明確に定められています。でも「夜間」って曖昧ですよね。道交法では、夜間とは「日没時から日出時まで」を指します。それでは、日没とはいつ?
日本は縦に長い地形なので、日没時間は同じ日でも地方によって異なります。下記に、春分/秋分・夏至・冬至のときの、各地の日没時間を掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。この図を見ると、日本全国、日没時間に大きな違いがあることが読み取れます。特に冬至の時期は、釧路と福岡では約1時間25分も異なるようですね。

※各地の詳しい情報は国立天文台ウェブサイトをご覧ください

早期点灯しない理由 その2 ドキドキしてしまう心理!?

早めの点灯を「実践していない」理由の第3位にも注目してみましょう。それは、“自分だけが率先して点灯することに抵抗を感じる”でした。周囲がヘッドライトを点けていると、安心して自分も点灯できるけれど、自分だけが率先して点灯するのは気が引ける。
このアンケート結果からも、“他人と同じことだと安心”する、そんな日本人らしさが垣間見えるようです。たとえば電車待ちの際、なんとなくひとの後ろに並んでしまうけれど、自分がその先頭に立ってしまうときは、“この位置で良いのだろうか?”とドキドキしてしまう。そんな心理と似ているとは思いませんか?

そんなこんなで、JAFで実施した「ヘッドライトに関するアンケート調査」から透けて見える日本人らしさ、国民性。ですが、ことは道路利用者みんなの安全にかかわる話。国民性はさておき、安全を最優先に考え、率先してライトを点ける。そんな習慣が日本人に根付いたら素敵ですよね。