バイクの音を楽しむ『名車図鑑』20:HONDA CBX1000
CBX1000オーナーのバイクストーリー
「エンジンをかけて走り出した瞬間、思い切って買ってよかった、そう思いました」
身長180cmの体躯が、CBXの大きな車格によく似合っている。高校の頃からの憧れ、CBX1000。それを買ったのは2年前のことだった。滅多にないヨーロッパ仕様をインターネットで偶然見つけ、すぐに電話で問い合わせた。間違いなく、ずっと探していたヨーロッパ仕様。しかもエンジンをオーバーホールしてから納車するというので、鈴鹿まで取りにいくことにした。
「僕らの時代は中型免許が中心で、限定解除してからもまず750に乗るのが常識でした。 いきなりリッターバイクに乗るようなことはしなかった。それでもずっとヨーロッパ仕様のCBXは諦めきれずに探し続けていました。手元に届いた時は嬉しかったですね。反面、大きいので乗れるかと心配でした。思いのほか普通に乗れて安心しましたけどね」
当時を振り返るかのようにそう語るオーナー。段階をきちんと踏んでいく彼の実直さはこんな場面にも表れる。
「オーバーホールしたばかりだったので、早くまわしたい気持ちをおさえて慎重に慣らし運転をしましたよ。4000回転を保ってね。乗ってみると6気筒のフィーリングに感動しっぱなしでした」
ツーリングにはよく行く。近場では富士や千葉、遠くは飛騨高山まで走らせた。
「今乗っている人はほとんどマフラーを替えていると思うのですが、まわす時のエンジン音や吸気音が好きなので、あえて静かなノーマルマフラーのままでいるんです。排気音がうるさいと、一番聞きたいエンジンの音がよく聞こえないですからね」
エンジンの吸気音が好き、そんなエピソードからはやっぱり彼の実直な人柄がにじみ出てくるのだった。
6気筒エンジンのフィーリング
2気筒、4気筒とは一線を画するという6気筒のエンジンフィーリング。初めて乗った時に「思い切って買ってよかったな」と思った。
ヨーロピアンスタイルのデザイン
サイドからテールにかけて流れるような、洗練されたヨーロピアンデザインが特にお気に入り。
GL用18インチのコムスターホイール
ホンダの看板技術のひとつであるコムスターホイール。CBX1000はこれが装着された代表的な車種なのだが、裏コムスターが好きなのでGL用の径の大きなものを探し出して交換したそう。
エンジンを音を視聴する
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC直列6気筒
総排気量:1047㎠
全長×全幅×全高:2220mm×885mm×1175mm
車体重量:247kg
最大出力:105ps
最大トルク:8.6kg-m