バイクの音を楽しむ『名車図鑑』10:YAMAHA GX750
GX750オーナーのバイクストーリー
10代で免許を取得し、現在までに旧車を中心に、何台ものバイクを所有してきたというオーナー。ユニークなのが、車種の偏りがないことだ。古いハーレーに乗ったり、ベスパなどのスクーターも好んで乗っている。
「所有してきたバイクに共通してるのが、“クセの強さ”です。GX750は僕の大好きな3気筒で、DOHC並列3気筒エンジンとシャフトドライブ方式を採用しています。それと、一番のツボはタンクの形状。下部分のクリアランスを詰めてデザインされているんですよ。あとフューエルコックも振り分けで2箇所存在してます。ほかのバイクではあまり見かけないディテールですよね。こういうところにグッときちゃうんですよ。」
この時代のヤマハは、他社との差別化にこだわっていた。軽量、スリム、コンパクトでいながら4気筒に負けない高性能な3気筒をつくることをスピリットとしていたのだ。
「GX750は、直線基調のラインも特徴的ですね。ちなみに僕は、ほかにRD250も持っているので、直線ラインが好きなのかもしれません。」
現在は週に2〜3回という頻度で愛車に乗っている。通勤をメインに、雨の日も関係なく愛車を走らせる。旧車ではネガティブになりがちなロングツーリングだって難なくこなしているという。
「GX750は、びっくりするくらい壊れないんですよ。安定感があるというか、信頼できるというか…。以前に静岡方面まで200kmほど走りに行ったときに、振動でミラーが飛んでいってしまったことがありましたが、トラブルはそのくらい。致命的なトラブルは一切ありません。頼れる相棒って感じですよ。こいつとは、どこまでも一緒に走っていける自信があります。」
ほかに、何台もの旧車を所有しているオーナーが一番乗っているのはこのバイクだという。それはオーナーとGX750が心地よい関係である証でもあるのではないだろうか。
デザインされたタンク形状
マニア心をくすぐるのがタンクのアンダーライン。エンジンとのクリアランスを極限まで詰めている。タンク形状を変形させてまで設計されているのだ。
音も形も惚れ込んだマフラー
3気筒らしい攻撃的な音と、エキパイからサイレンサーへと続く集合マフラーのデザインが好みだという。
シャフトドライブを採用
多くのバイクはチェーン方式がメジャーだが、トラブルが少なくメンテナンスいらずのシャフトドライブが採用されている。旅先でチェーンが切れるなどの心配がない。
エンジン音を視聴する
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC 直列3気筒
総排気量:747㎠
全長×全幅×全高:2180mm×835mm×1150mm
車体重量:229kg
最大出力:60ps
最大トルク:6.0kg-m