バイクの音を楽しむ『名車図鑑』2:SUZUKI RG500ガンマ
RG500ガンマオーナーのバイクストーリー
「32年間ずっと、こいつとは一緒なんですよ」
32年前、オートバイレースGP500の放送がテレビではじまったのをきっかけに、新車で買ったRG500ガンマ。そのシートにはオーナーが跨った無数の擦り跡が残されていた。それもそのはず、彼は無類のツーリング好きで、仲間と一緒に月に一度は日帰りツーリングに出かけ、さらに年に二度、宿泊してのロングツーリングにも出ているそうだ。
「バイクは乗ってこそだと思ってる。」
何度も愛車と旅するうちにたくさんのトラブルを経験し、今では機嫌の直し方もすっかりお手のもの。2スト特有のカブリとも頻繁に戦っているうちにすっかり慣れた。
「音が好きなんだ、ふける時の音が。あと加速ね。2ストの加速は今でも素晴らしいよ」
テレビのレース中継を観て憧れた、2スト特有のかん高いグーンという音。それがどうやら、男心をつかんで離さない様子だ。加速もまた、然り。自慢のスクエアフォーエンジンと、このクラスにしては軽めの160kgの車体とが相まって、すぐれた加速力を実現している。
「もう絶対、手離せない。仮に今、手離しちゃうと二度と手に入れられないからね」
購入した頃はあまり人気もなく買い値もつかないほどだったRG500ガンマだが、今ではツーリング先で停めておくと人だかりができるほど、プレミアものの大人気車になった。けれども彼は手放す気はない。そこには32年間愛車と共に過ごしてきた、プライスレスな時間が積み重なっているのだ。
両側4本出しマフラー
ジェット機を彷彿とさせる両側4本出しマフラー。熱対策で外装がメッシュになっていたりと珍しい工夫が施されている。
スクエアフォーエンジン
当時のレーサーRG500の直系であるRG500ガンマ。エンジンレイアウトもレーサーと同じ、スクエアフォーエンジンを踏襲している。
2型限定のウォルターウルフデザイン
2型のみ2500台限定で発売されたウォルターウルフデザイン。濃紺と金色のスペシャルカラーが洗練された印象を醸し出す。
エンジン音を視聴する
エンジン形式:水冷2ストロークスクエア4気筒(輸出仕様)
総排気量:498㎠
全長×全幅×全高:2100mm×695mm×1185mm
車体重量:156kg(乾燥重量)
最大出力:95ps
最大トルク:7.3kgf・m