JAFニュース

ゲリラ豪雨や濃霧、運転席からの視認性の違いは?
〜灯火の有無による違いを検証〜

本部広報2018-18
2018年7月17日

JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 矢代驪`)は、台風による大雨やゲリラ豪雨、また山間部などで濃霧が発生した際には、視界が悪くなり運転には注意が必要であることから、その視認性を検証しました。あわせて豪雨時の衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)の作動について検証を行い、結果を7月17日(火)よりホームページに公開しました。

雨量80mm/hの豪雨テストイメージ
雨量80mm/h の豪雨テストイメージ
テスト車(赤)から見た前方の停止車両(テールランプ点灯)

今回の実験では、豪雨や濃霧を昼夜別に再現できる施設を使い、テスト1では「豪雨」、テスト2では「濃霧」の悪天候時に前方の車両がどのように見えるのか、以下のパターンで実施しました。また、補足実験として、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)は、豪雨時でも止まれるのかどうかも併せて実施しました。

■テスト1:豪雨実験(前方にいる停止車両のライト点灯の違いで、止まれた位置は?)

前方の停止車両に向かって、テスト車(自車)が40km/hで走行し、運転席から停止車両が見えたら急ブレーキを踏み、停止位置を計測しました。
<テスト条件>
  • ①雨量は、80mm/hと30mm/h※
  • ②時間帯の想定は、昼間と夜間
  • ③テスト車のヘッドライトは、昼は下向き 夜は下向きと上向き
  • ※気象庁の用語では、雨量80mm/hは「猛烈な雨」、雨量30mm/hは「激しい雨」とされています。
<停止車両設定>
  • 無灯火、テールランプ点灯、リアフォグランプ点灯、ブレーキランプ点灯

■テスト2:濃霧実験(前方にいる停止車両のライト点灯の違いで、見えた位置は?)

前方の停止車両に向かって、テスト車(自車)を5m間隔で近づけ、運転席から停止車両が見えた位置を計測しました。
<テスト条件>
  • ①霧の濃さは、前方を見通せる距離の目安が30m(視程30m)と60m(視程60m)
  • ②時間帯の想定は、昼間と夜間
  • ③テスト車のヘッドライトは、昼は下向き、夜は下向きと上向き
<停止車両設定>
  • 停止車両設定:無灯火、テールランプ点灯、リアフォグランプ点灯、ブレーキランプ点灯

本テストでは「車両」だけでなく「歩行者」の視認性についても実験を行っております。
 すべてのテスト結果はJAFホームページもしくは添付資料をご確認ください。

 ▼ユーザーテスト:水没/豪雨/濃霧
  http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/submerge/index.htm

 

■テスト1:豪雨実験(前方にいる停止車両のライト点灯または歩行者の服の違いで、止まれた位置は?)
前方の停止車両または歩行者(マネキン人形)に向かって、テスト車(自車)が40km/hで走行し、運転席から停止車両やマネキン人形が見えたら急ブレーキを踏み、停止位置を計測しました。
1,停止車両のライト点灯の違い
<テスト条件>
  • ①雨量は、80mm/hと30mm/h※
  • ②時間帯の想定は、昼間と夜間
  • ③テスト車のヘッドライトは、昼は下向き 夜は下向きと上向き
  • ※気象庁の用語では、雨量80mm/hは「猛烈な雨」、雨量30mm/hは「激しい雨」とされています。

<停止車両設定>
  • 無灯火、テールランプ点灯、リアフォグランプ点灯、ブレーキランプ点灯

▼テスト結果

表1:雨量80mm/hの結果(前方の停止車両を発見し、止まれた位置)

雨量80mm/hの結果は表1の通りで、前方の停止車両が「テールランプ点灯」「リアフォグランプ点灯」「ブレーキランプ点灯」は、昼夜問わず、50m以上手前で止まれたのに対し、前方の停止車両が「無灯火」の夜間(自車のヘッドライトが下向き)は約24mまで接近し、その見えづらさが際立ちました。

昼間でも豪雨の中を走行する際には、無灯火で走行するよりもヘッドライト(テールランプ)を点灯したほうが後続車からいち早く見つけやすくなりました。停止中はブレーキを踏んでブレーキランプを点灯させて停止することも重要です。

 

また、夜間は自車のヘッドライトが上向きだと、下向きの場合と比べて、前方の停止車両(4パターン全て)を発見しやすい傾向でした。

※雨量30mm/hの結果は、「ユーザーテスト資料編」よりご確認ください。

 

2,歩行者の服装の違い
<テスト条件>
  • ①雨量は30mm/h
  • ②時間帯の想定は、昼間と夜間
  • ③テスト車のヘッドライトは、昼は下向き 夜は下向きと上向き
  • ※気象庁の用語では、雨量80mm/hは「猛烈な雨」、雨量30mm/hは「激しい雨」とされています。

<歩行者設定>
  • 白い服、黒い服、安全(反射)ベスト着用

▼テスト結果


表2:雨量30mm/hの結果(前方の歩行者を発見し、止まれた位置)

雨量30mm/hの結果は表2の通りで、前方に「歩行者」がいる場合は、停止車両よりさらに見えづらく、夜間(ヘッドライト下向き)の場合、「安全ベスト着用」は61m手前で止まれたのに対し、「黒い服」を発見して停止できたのは約18m手前でした。

昼夜問わず、「黒い服」は見つけにくい傾向でしたが、「安全ベスト」を着用していればいち早く見つけやすくなりました。

 

■テスト2:濃霧実験(前方にいる停止車両のライト点灯または歩行者の服の違いで、見えた位置は?)
前方の停止車両または歩行者(マネキン人形)に向かって、テスト車(自車)を5m間隔で近づけ、運転席から停止車両やマネキン人形が見えた位置を計測しました。

1,停止車両のライト点灯の違い
<テスト条件>
  • ①霧の濃さは、前方を見通せる距離の目安が30m(視程30m)と60m(視程60m)
  • ②時間帯の想定は、昼間と夜間
  • ③テスト車のヘッドライトは、昼は下向き、夜は下向きと上向き

<停止車両設定>
  • 停止車両設定:無灯火、テールランプ点灯、リアフォグランプ点灯、ブレーキランプ点灯

▼テスト結果


表3:視程30mの結果(前方の停止車両が見えた位置)

視程30mの結果は表3の通りで、前方の停止車両が「無灯火」だけでなく「テールランプ点灯」も見えづらかったのに対し、濃霧のときには「リアフォグランプ点灯」が有効であることが分かりました。

また、停止中はブレーキを踏んでブレーキランプを点灯させて停止することも重要です。濃霧の中で、夜間にヘッドライトを上向きで走行すると、光が思ったように届かずかえって前方が見えづらくなる傾向でした。

※視程60mの結果は、「ユーザーテスト資料編」よりご確認ください。

 

2,歩行者の服装の違い
<テスト条件>
  • ①霧の濃さは、前方を見通せる距離の目安が30m(視程30m)
  • ②時間帯の想定は、昼間と夜間
  • ③テスト車のヘッドライトは、昼は下向き、夜は下向きと上向き

<歩行者設定>
  • 白い服、黒い服、安全(反射)ベスト着用

▼テスト結果

表4:視程30mの結果(前方の歩行者が見えた位置)

視程30mの結果は表4の通りで、「歩行者」は、昼間だと「白い服」が霧に溶け込み、夜間は「黒い服」が闇に紛れて見えづらくなりました。

「安全ベスト着用」は、夜間(自車ヘッドライトが下向き)に霧の中でも反射材によって視認性が高く、「黒い服」より10m手前で確認できました。

■補足:衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)は、豪雨時でも止まれるか?

豪雨時でも衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)が適切に作動して、障害物との衝突を回避できるのかを検証しました。

  • ①天候は、雨のない状況と雨量80mm/h
  • ②速度は、30km/hと40km/h

雨が降っていない状況では、30km/hと40km/hのいずれの速度でも、障害物の手前で停止することができました。

雨量80mm/hの場合、30km/hでは停止できましたが、40km/hでは障害物を一瞬検知したものの、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)が作動せず障害物に衝突しました。

※車種、検知システム、雨量、速度などによって結果は異なります。

衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)は、ドライバーのミスをカバーしたり、衝突時の被害を軽減するものですが、悪天候時は正常に作動しないこともありますので、機能を過信しないことが大切です。

■テスト結果:JAFユーザーテスト

 

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