JAFストーリー

Episode 78 箱根駅伝

佐藤裕明隊員。41歳。小田原基地。

佐藤裕明隊員。41歳。小田原基地。「箱根は、雪が降ると依頼件数が一気に増加します。天候のチェックと雪の対策を忘れずにお出かけください」

小出聖香さんは毎年正月、家族で箱根駅伝を応援するために、箱根に泊まりにいくのを恒例にしている。昨年の1月2日も両親と妹と息子といっしょに箱根に向かった。旦那さんはネコの世話のために千葉の自宅で留守番である。

お父さんの車を妹さんが運転して、助手席に聖香さんが座った。朝の9時前には箱根に入った。応援する場所はいつも決まっている。往路ゴールの芦ノ湖の少し手前だ。

まだ交通規制もなく渋滞もしていない。目的地まであと30分くらいのところで、いきなりエンジンから煙があがった。

「長距離に出るときは、誰の車を使うにしても、前もってちゃんと調整しておくようにっていう話をしてあったんですけれど、まぁどういうことなのか……エンコですよね」

いまでも納得がいかないという顔で聖香さんは言うのである。

「まず、なんでそういうことになったんだっていうことでね、気持ちの落ちこみが……あの、責めるっていうんじゃないですけども、どうしてこういうことにって……」

実は、お父さんは一週間前にきちんと点検に出していた。だが現実にオーバーヒートを起こしてしまった。

聖香さんと妹さんは納得いかず父を責める。父は整備に出したのだからと憮然とする。車内は最悪の雰囲気になった。

JAFを呼んだ。

「長くは感じましたけれどもね。どれくらいでしょう、1時間たらずだったかしらね。なにしろ時間がたつと、そこはもう駅伝のコースなわけですよね。なので、いくら車を左に寄せてるとは言え、どうしたって多少車がコースにはみ出ているというのがもう、なにしろ心配で……」

途中で警官が来た。事情を説明してJAFを待っているところだと言うとすぐに引きあげていった。

上空にヘリコプターが舞いはじめた。ワンセグテレビを見ると、選手たちは小田原あたりまで来ていた。

佐藤裕明隊員が到着した。すぐに牽引。素速い作業で、とりあえず選手たちの邪魔にならずにすんだ。

途中の空き地で詳しく点検したが、動きそうにない。そのまま宿泊予定のホテルまで運ぶことになった。

「結局、車は宿に置いたまま、修理工場を近くで紹介していただきまして……私たちが乗る車に関しては、タクシーを呼びまして、妹が御殿場のほうのレンタルまで借りに行って、その車を使いました」

聖香さんはおだやかで上品に話すひとだ。

「あの焦る気持ちは、一生忘れられないですね。その日の夜は、ホテルで……言葉少なかったです。いつも年甲斐もなく、悪ふざけばっかりしているような感じなんですけれど、まぁその日は、だめでしたね」

それも思い出である。今年、小出さん一家は箱根には行っていない。

さて、つぎの箱根駅伝。

新しい年は、もうすぐだ。

(文=松尾伸弥  写真=両角栄介)

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