JAFストーリー

Episode 86 煙モコモコ

神奈川県●中溝(なかみぞ)さおりさん 41歳

神保弘和 隊員42歳。港南基地。「パンクなんかでも、空気は少しずつ抜けていくので、乗る前にタイヤの状態などをチェックすることが大切ですね」

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中溝さおりさんは、ゴールデンウィークに家族でキャンプに行く予定だった。その買い物のために、4月26日、ホームセンターまで車ででかけた。

「雨が降るかもしれなかったのでシートを買おうと……ネットだと送料がかかるから自分で探しに行こうと思って」

車に乗る頻度は1週間に1回程度。

「乗りはじめてすぐに、なんか今日はうるさいなって思ってて……なにかの拍子にブーンて音がするからおかしいとは思いつつ、車を止めると、音も止まっちゃうんで……」

不調を感じつつホームセンターに到着。立体駐車場へのスロープをあがる手前で、エンジンルームから煙が出た。

「煙がモコモコしてるので、通ってるひとが危ないよって言ってドンドンってガラス叩かれたんで、窓を開けて、そうなんですぅとか言って、とりあえず止めなさいって言うから、そこに車を入れて……」

止めたのは店内への出入り口付近の空いているスペースだった。ひとが集まってきた。

「おじさんが、ボンネット開けなよって言って開けてくれて……これはオイルが漏れてるねって、JAFに入ってないのって言うから、入ってますって言って。電話かけてみなさいって言うんで……」

JAFに電話をした。若干パニックになっていたさおりさんは、状況がうまく説明できない。そのおじさんに電話を代わってもらい、状態を説明してもらった。

JAFの到着を待つ間に買い物をしようと思ったのだが、気持ちが入らない。携帯電話で「エンジン」「故障」と検索してみた。

「オーバーホールだったら何十万もかかる、とかいうのを読みながら、ああもうこれはだめだ、どうしよう、車買い換えかぁとか思って……」

神保隊員は、指令を受けて、レッカー車ともう1台のサービスカーをともなって現場にやってきた。立体駐車場にはレッカー車が入らないからだ。

「ボンネットを開けてみて、それから漏れてるオイルの質と色を見て、パワステのオイルと判断しました」

いったんサービスカーで駐車場内をけん引し、外に止めたレッカー車に入れ替えて、さおりさんが指定した修理工場まで運んだのである。

「その前に、床もちゃんと掃除してくれて……こんなこともやるんだって見てました」

さおりさんは驚くが、隊員にすれば当然の作業だ。

「オイルがけっこう垂れてたんで、それを吸着材で吸わせて、かたづけてから、けん引ロープをつけて下まで運びました。事故現場とかでもそうなんですけど、二次事故になりますんで。滑りますのでね」

結局、部品交換ですみ、中溝さん一家は無事、キャンプに行くことができた。

「いやもう、なんていうのか、自分がこんなことになるなんてと思って……」

さおりさんは、そのことにまず驚いたようだ。

「オイルは少しずつ漏れてくるので、ふだんから駐車場のオイル跡などを気にしていれば、防げたと思うんですよ」

神保隊員の忠告である。

(写真・文=松尾伸弥)

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