JAFストーリー

Episode 87 ボランティアの帰りに

吉岡昌哉 隊員30歳。三田(さんだ)基地。「中国道、山陽道、阪神高速7号も通ってるんで、三田基地は、昔から高速部隊って言われてます」

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藤本さんは、ソーシャルアロマセラピストと称して、福祉の現場で役立つアロマセラピーのノウハウを指導している。

「高齢者施設ですとか、障害を持ったお子さんたち向けの、アロマセラピーのタッチングとかの技術を教える仕事なんですね。介護の職員さんとかに方法を教えて、現場で実践していただいているんです」

昨年の8月、東北の仮設住宅に暮らすお年寄りのために、その技術を役立てようと思った。日ごろから親しくしているボランティアコーディネイターから、広島の若者が東北でお好み焼きをふるまうという話を聞き、そのバスに便乗させてもらうことにしたのだ。

藤本さんは、ふだんから高速バスを利用しているので、バス停近くに駐車場を借りている。

「お好み焼きの材料を積んだりして、広島を9時ごろ出られたようです。私は、日づけが変わるか変わらんかのころに、真っ暗ななかで荷物をおろして、立って待ってました」

そして、広島からやってきたバスに乗り、新潟まわりで東北に行った。
「ひとりの女の子にアロマセラピーをかんたんに教えて、その子がデビューしました。お好み焼きを待っている列の途中で、アロマどうぞって言って、高齢のご夫婦とかと向かい合わせに座って……」

手のひらや腕を、香りのいいオイルでマッサージするだけでも癒しの効果がある。

「それで楽になったというのもあると思うんですけど、やっぱり、自分ひとりに向き合って話を聞いてもらう時間が持てたということが大きいかなと思います」

陸前高田市や大槌町などをまわり、5日ほど過ごして、また新潟まわりで帰ってきた。

「朝の5時くらいに着きましたね。車のキーをピッと押しても反応しないから、あれ?  と思って……」

どうやらルームライトを消し忘れていたようだ。それでバッテリーがあがってしまっていた。もちろんキーをさしてもエンジンはかからない。

JAFを呼んだ。吉岡昌哉隊員がやってきた。

「隊員さんの作業をずっと、ぼおっと見てました……こっちは、夜通しバスで過ごして化粧もぼろぼろやし……」

隊員はいろいろと気遣って言葉をかけてくれた。が、高速道でやって来たらしい隊員に申しわけないと強く思い、ルームライトの消し忘れに自己嫌悪も感じながら、とにかく、藤本さんは吉岡隊員とほとんど話していない。応急処置の充電のおかげで、ようやく帰宅することができて、そのまま爆睡したことは覚えている。

実は、震災直後、吉岡隊員もJAFの特別支援隊に加わり東北で活動していた。大量の被災車両の移動がおもな作業だった。ピラミッド状に積みあがってしまった車を、警察と協力しながら少しずつ移動させた。

震災後の東北で支援活動をすることの重みは、隊員も知っていた。
けれど、その朝、ふたりは、互いの体験についてなにも語らないまま、すれ違った。

(写真・文=松尾伸弥)

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