お客様の声
〜JAF ストーリー〜

115

2015年8・9月号

バッテリー

女子高にて

お客様
坂口美緒子さん(58) - 鹿児島県

 坂口美緒子さんは、女子高の英語の先生である。毎日とても忙しくて、定時に帰れるのは1年のうちに数日もないらしい。
 「放課後に生徒が相談にきたりとか、質問にきたりとか。それから校務もいろいろあるんですよ」

 昨年の9月30日。その日は、ほんとに珍しく、定時に帰ることができた。夕方5時前。美緒子さんが車に乗りこみエンジンをかけようとしたところ、ストンという感じで、ふいに静かになった。
 美緒子さんは、ドイツ製の同じ車種に乗り続けている。

 学校の駐車場で、その愛車のエンジンがかからなくなって、車に詳しい先生に相談しようかとも思ったが「まぁ、ちょっと恥ずかしいというのもあり……」まずはディーラーに電話した。
 「バッテリーでしょうねって。でも、修理には行けないということで、JAFさん呼んだほうがいいですねって言われて、それで電話したんですよ」

 JAFのオペレーターからは20分ほどで着くと言われた。職員室に戻らずに、その場で待つことにした。
 「放課後ですから、ひょっとしたら全校放送で探されるかもしれないし。職員室で、事務の声の大きい先生にJAF呼んだの誰ですかって言われるかもしれないし。それはやだなって思って」

 その場で待っていると、予定より早く電話がかかってきた。坂口裕慈隊員だ。西側の校門への道は狭い坂道のため、坂口隊員は東側の校門にレッカー車をつけた。美緒子さんが東のほうを見るとレッカー車が見えた。体育館の工事中で、レッカー車にはグラウンドを横切ってもらうしかない。
 「芝生が植えてあるので、必要なとき以外はできるだけ通らないようにするために、コーンが置いてあるんですね。それで、走っていってですね、コーンをどけてあげて、こっちですこっちですって、誘導したわけです」

 この時点でかなり目立っているという自覚は、美緒子さんにも坂口隊員にもあった。隊員はすぐに点検をはじめた。
 「ジャンピング作業をおこなってエンジンをかけたあとに測定したら、バッテリーの内部断線だとわかりました。内部が切れてしまっていて、もう走行不可能で……」
 バッテリーを交換するしかないことを、隊員は美緒子さんに説明した。JAFでは外国車用のバッテリーは準備していない。
 「お客さまの行きつけのディーラーさんをお聞きして、そちらまでお運びしましょう、無料でけん引できる距離なのでというお話をしました」

 レッカー車で美緒子さんの車をけん引して、グラウンドを戻っていった。
 「コーンがしてあったのを、レッカー車をいったん降りて、どけて、また乗って、またブーって行って、どけて……」
 途中、美緒子さんの教え子が通りかかった。
 「1年からずっと教えてきた子なんですけど。びっくりして見てました。先生大丈夫ですかとか、ふつう言うと思うんですけど……」

 生徒は、ひとこと。
 「ウケるぅ」
(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

坂口裕慈 隊員 34歳

鹿児島基地。
「鹿児島ならではの救援依頼で、ウォッシャー液の補充があります。火山灰のせいで、みなさん、ウオッシャー液を使うことが多いんです」

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