お客様の声
〜JAF ストーリー〜

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2016年4月号

スタック

事故でも故障でもない

お客様
国見協一さん(59) - 神奈川県

 藤沢在住の国見協一さんの実家は小田原だ。裏山にはみかん畑がある。
「以前は母がひとりで住んでおりましたが、2年前に他界しまして、それからは私が藤沢からこちらに通って、畑の仕事をしてます」
 自宅で食べる程度の量なので、国見さんがひとりで作業をしている。収穫したぶんは畑の片隅の小屋に貯蔵する。

 昨年の1月の3日。
「みかんが手もとになくなっちゃって、取りにいこうと車で登っていったんですよ」
 軽のワゴン車。左側に石垣、右側は崖になった細く急な坂道。石垣の上には、よその家のみかん小屋も建っている。
「雪はほとんど溶けてたんですけど、道のまん中に、ちょっと残ってたんですね」
 そのまま登ろうとしたら、ふいにスリップした。小屋の陰で凍結した路面で、タイヤが空まわりしている。
「これはだめだと。せまい道なので、自分でいじらないほうがいいだろうと思いまして」

 国見さんは、まず、自動車保険付帯のロードサービスに電話した。以前、エンストで呼んだことがあり、車内に保険証券などの書類が置いてあったからだ。
「電話は通じたんです。けど、車を溝に落としましたか、または路肩に乗りあげましたかって言われたんです。いや、道のまん中ですから、そういうことじゃありませんと言うと、それじゃあ、事故ではありませんから、うちのロードサービスの対象外ですって」
 保険の内容にもよるだろうが、国見さんの入っている保険では、事故でも故障でもない場合は、保険対象外らしいのだ。

「JAFにかけてくださいねって言われたんです。JAFストーリーはよく読んでます。はるかにむずかしいシチュエーションを、隊員のかたが解決してらっしゃる。なので、とにかく待ってればなんとかなるだろうと」
 国見さんは、車のわきで待つことにした。2台ほど坂道をおりてくる車があったので、丁寧に詫びて引き返してもらった。とてもすれ違えるような道幅ではないのだ。

 唐澤正浩隊員がやってくると、坂の下にレッカー車を止め、歩いて坂道を登ってきた。状況を確認すると、隊員は、タイヤに脱出用の布製すべり止めカバーを装着した。
 あっと言う間だったと国見さんは笑う。
「みかんを取りに行く気なんかなくなってましたので、とにかくおろしてくださいって言ったら、わかりましたということで、バックで下までくだってくださいました」
「山道なんかですと、カーブを曲がった先が、いきなり凍結しているっていうのは、よくあるんです」
 雪がないと思って油断するのは危険だと、唐澤隊員は何度も言った。日陰になった路面には注意する必要がある。

 取材の途中で、国見さんは、しみじみと言った。
「自動車保険付帯のロードサービスに入っているからおれはいいやって思ってるひと、いると思うんです。でも、やっぱり、JAFにも入っておいたほうがいいということは知ってほしいと思います」
(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

唐澤正浩 隊員 46歳

相模原基地。
「とにかく、安心していただくことですよね。大丈夫ですよって。やれることは全部やって、なんとかします」

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