お客様の声
〜JAF ストーリー〜

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2017年1月号

バッテリー

警告音

お客様
加藤俊一さん(80)、隆子さん(77) - 山形県

加藤俊一さん80歳。隆子さんは77歳。息子と娘は、結婚して東京で働いている。
「娘夫婦は、ふたりとも中学の教師をしているんですよ」
 昨年の大晦日、その娘さん夫婦が酒田に帰ってくることになった。1泊だけして、1月1日にはまた東京に戻るという慌ただしい帰省だった。31日の早朝、俊一さんは庄内空港に迎えにいった。フォグランプをつけた記憶がある。

「夜は危ないから走らない。フォグランプつけて走ったのも、それこそ何年かぶりだったかもしれないです」
 家に戻ってきたあと、少し休み、昼食と買い物をかねて4人で出かけた。酒田市では有名な海鮮市場だ。

「31日なもんで、駐車場も混んでた。3人を降ろして、いちばん奥のほうが空いておったんで、そこへ入れた」
 車を止めてドアを開けると、ふいにブザーが鳴った。
「ピーピーピーってね。ライトがついてる場合があるからね、ライトのスイッチを切って、ドアを開けてもね、まだ鳴るんですよ。おかしいなって思って……」

 エンジンをかけようとしたが、かからない。俊一さんは、ひどく慌てた。
「どうしようもないなって思って。ピーピー鳴るけど、ドアを閉めれば止まりますから、外に出て、ドアを閉めてね、みんなのところに歩いていったんですよ。そしたら、娘がね、心配なもんで出てきたわけ。こうこうこうでJAFを呼ぼうと思うっていう話をしたら、彼女が携帯を持っててね、すぐに電話をした」

 大晦日ということもあり、1時間ほどかかると言われた。
「それで、みんなで食事して、それから、みんなより早く外に出て、待ってたんですよ」
 レッカー車に乗った庄司誠隊員がやって来た。
「隊員さんはね、ぱっと見て、フォグランプがついてますねって。いちばん下のランプがついてたんだよね」
 庄司隊員は、そのときのことをよく覚えていた。

「こんなことでJAFを呼んでしまったということに、すごく恐縮されたんです」
 そう感じた庄司隊員は、俊一さんに言った。
「音とか臭いが気になったら、気軽に呼んでください。放っておいて、路上で止まってしまっても大変ですから」
 点検してみると、バッテリーあがりだった。発電機は問題なさそうだったので、簡易バッテリーをつないでエンジンを応急始動。

「テスターの数値に問題なかったので、運行続行可能と判断しました。連休中で、家族揃ってのお出かけ。その場で対応できて安堵しました」
 隊員の忠告どおり、長めのアイドリングでバッテリーは回復し、翌日も問題なく車は動いた。娘さんたちを空港まで送り届けることができた。
「うん、パニックになった。びっくりして。これ、免許やめれって合図かもしれない」
 と、俊一さんは、少し弱気な感じでつぶやく。

「でも、車がないと、私がお医者さまに連れていってもらえないから……」
 隆子さんはそう言った。俊一さんを元気づけるように。
(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

庄司誠 隊員 52歳

庄内基地。
「車を大切にされているという印象はありました。早めに気づかれたからこそ、その場で処置ができたと思います」

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