JAFストーリー

Episode130 特別支援隊

中島哲弥隊員 31歳。佐野基地。

中島哲弥 隊員 31歳
佐野基地。
「特別支援隊の仕事は、やっぱり背負うものがあります。その救援でお客さまからお手紙をもらって、JAFストーリーに出られて……夢みたいに、うれしいです」

Episode130 札幌市●東尚典さん・52歳

JAFロードサービス特別支援隊は、災害などが発生した場合に、全国から応援にかけつける派遣チームである。

「指名されるんです。今年はなってもらうよ、みたいに」
  そう話すのは栃木支部佐野基地の中島哲弥隊員。災害とはべつに、北海道や東北、新潟など、冬期に救援依頼が増える地域にも派遣される。中島隊員は、札幌支部に行った。
「期間は1か月です。1月10日から2月の10日まで行ってました。札幌は、ほんとに忙しいんですよ。件数でいうと、栃木にいるときの2.5倍くらいはやりました」
  救援依頼は雪がらみが多い。そして、バッテリー。

「バッテリーは寒さに影響されるんです。札幌では、早いと、3日乗らないだけで、エンジンがかからなくなるんです。車の使いかたとか、環境などを考慮して、アドバイスしないといけない」
  まさに、そういうトラブルに見舞われたのが、東尚典さん。市立小学校の教頭先生だ。東さんの自宅にはシャッターつきのガレージがある。
「それでも、2月は朝が寒いんで、かかりが悪くなる。へんだなと思いながら何日か通勤してたんですけど……」

  昨年2月6日、土曜日の朝。よく晴れていた。用事があって出かけようしたら、エンジンがかからない。
「JAFを利用したことがなかったんで、これはチャンスだなと思ったんです」
  電話してみた。すると、5分もしないうちに家の前に青いサービスカーが現れた。中島隊員がほんの数百メートル離れたところで作業を終えたばかりだったのだ。

「ピックアップのトラックが来て……それが、習志野ナンバーだったんですよね」
  奇妙だなと東さんは感じたが、作業の邪魔をしてはいけないと思い黙っていた。
「バッテリー自体が寿命なので、すぐに対応したほうがいいですよってお話でした」
  東さんは、行きつけのディーラーに電話をした。中島隊員がエンジンを始動してくれたので、すぐに出かけられる。でも、気になったので、聞いてみた。

「どちらからいらしてるんですかって声をかけたら……」
  中島隊員から、冬期特別支援隊の話を聞いた。
「でも、そろそろ帰らなきゃなんないんです、ようやく慣れたのに、さみしいですって話をされたんで、北海道は寒いですけど、いいところだからっていう話をして……」

  千葉から車両が運ばれていて中島隊員は習志野ナンバーのサービスカーに乗っていた。
「フランクに話してくださって、すごく印象に残りました」
  はじめて利用したら5分でやってきた。札幌なのに習志野ナンバーのサービスカーで、隊員は栃木からきたという。東さんには、印象深かったに違いない。

  中島隊員は言った。
「路面も慣れない、車だっていつもと違う。でも、制服を着てJAFの車に乗れば、お客さまからしたらJAFの隊員。緊張感を持ってやるしかないと思ってました」
  特別支援隊の体験は、隊員にとっても特別な記憶になる。

(写真・文=松尾伸弥)

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