お客様の声
〜JAF ストーリー〜

133

2017年6月号

タイヤ

熱い男

お客様
岡本浩輔さん(30) - 愛知県

岡本浩輔さんは、ひと月に1度くらいのペースで、コーヒー豆をローストして販売する専門店に行く。幼い娘さんを車に乗せて。
「私、コーヒー好きなんで。この子といっしょに来ます。ここにはね、クッキーもあるから……」

 マスターと話しながら豆を選び、コーヒーを飲み、娘さんはクッキーを食べる。そのコーヒーショップで話を聞いた。

 1年半ほど前、いつものようにコーヒー豆を買いにきた。家からコーヒーショップまでは、高速道路を使うと約20分。店の前の駐車場で、後部座席のチャイルドシートから娘さんを降ろそうとしたとき、右うしろのタイヤがペッタンコなことに気づいた。
「店に入って、マスターに、パンクしたから、コーヒー買ってる間にJAF呼んでいい? って」

 #8139で、JAFに電話した。15分ほどで、石黒和徳隊員がやってきた。事情を説明すると、隊員はすぐに作業に着手した。岡本さんは、スペアタイヤに交換するのだろうと思っていた。
「現場に行くと、お時間いただけるお客さまに関しては、必ずタイヤをはずして、全体を見ます。原因を調べて、原因の情報を、現場にいらっしゃるお客さまに提供するのもサービスの一環かなと」
 石黒隊員は、空気漏れの箇所を特定するためにチェック液をかけながら、タイヤ全体を調べた。

「ほんと、明るくて、安心感がありましたね。丁寧で」
 店の中からウィンドー越しに作業風景を眺めて、岡本さんは、石黒隊員を好ましく思っていた。

「バルブから漏れてました」
 石黒隊員は、特定した。
「バルブ本体の根元とかではなく、バルブのなかのムシがゆるんで、そこから漏れてました」

 ムシとは、タイヤバルブの中にねじこまれている、小さな弁の役割をするバルブコアのことだ。
「ほかのタイヤもゆるんでいる可能性があるので、パンクした箇所以外も見て、空気圧を測って、ムシの状態をチェックしました」
 空気圧が極端に減った状態で走行したのであれば、タイヤ側面に痕跡が残る。が、今回の場合は、それもなかった。なにかしらの理由でムシがゆるみ、空気が漏れていたと判断しムシを締め直した。

「タイヤの状態が良好であれば、応急用タイヤよりは、もともとついてるタイヤのほうが絶対に高性能なので、そちらを優先します」
 高速道路を帰ることを考慮した石黒隊員の判断だった。
「スペアタイヤに交換するという安易な選択じゃなくて、長年の経験からくるサービスレベルっていうか。非常に安心できました」
 と、岡本さんは感心する。

 岡本さんが喜んでいたことを知り、石黒隊員もうれしそうだ。
「お客さまの安心と安全が最優先ですね。心のモヤモヤも、トラブルもすべて解消したいです」
 石黒隊員の態度を見て、コーヒーショップのマスターは岡本さんに言ったそうだ。

「熱い男だ」
(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

石黒和徳 隊員 41歳

一宮基地。
「原因を特定しないことにはアドバイスにもつながらないので、現場では原因特定に努めています」

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