お客様の声
〜JAF ストーリー〜

138

2017年12月号

エンジン

わかりました。

お客様
奈良直子さん(54) - 広島県

奈良直子さんは、2年前まで中学校の教員だった。旦那さんも現在、小学校の教員だ。
「2年前まで行ってた学校は、毎日、往復70キロ乗るような遠くだったんです。へとへとになって」
 奈良さんの住んでいるところでは、車は必需品だ。
「とにかく車がないと、ここは暮らせないです。夫ももちろん車がないと通えないところで……」

 今年の正月には家族で旅行に行って、瀬戸内の島で動けなくなりJAFを呼んだ。その記憶も薄れない1月末に、朝、出かけようとしていた旦那さんが玄関に戻ってきて「またJAFを呼ばんといけんよ」と言ったのである。どうやらエンジンがかからないらしい。
「中古で買って3年くらい。なんの問題もなくきたんだけども、はじめて、あの車でJAFを呼ぶのは」

 旦那さんは直子さんの車に乗って学校に向かった。JAFに電話をかけたあと、子どもたちに手伝ってもらって、車庫から車を押して出し、玄関前に止めておいた。そのほうが作業しやすいだろうという配慮だった。
 おそらくバッテリーあがりが原因だろうと直子さんは思っていた。
「これは、また出費だな、いやだなって思って。まぁ中古じゃけ、と思ってたんです」

 玄関のチャイムが鳴った。出てみると、車のまわりにすでに赤いコーンが立てられていた。三反田隊員に、玄関先で事情を聞かれた。
「ライトをつけっぱなしではありませんかって言われて、いや、それはないと思うんですが、ほんの少し、車庫に出し入れしただけでって言ったら、ああって、すぐ言うちゃったんです」

 前夜、旦那さんが路上に止めていた車を、直子さんが車庫に入れ、すぐにエンジンを切った。その話をしたとたん、三反田隊員は「ああ、わかりました」と言った。キーを受け取り、車に乗りこむと、あっさりエンジンをかけた。
「ええええ?」
 驚く直子さんに、三反田隊員は「濡れたロウソクに火を灯すようなものなんですよ」と説明した。プラグかぶりと呼ばれる症状である。ガソリンが燃焼しきらないうちにエンジンを止めてしまうと、プラグがガソリンで濡れたままの状態になる。それを回避するためには、少しアイドリングをしてからエンジンを止めるほうがいい。

「かぶってしまった場合は、アクセルをちょっと踏んで空気の流れをよくして、かける。だめならちょっと休んで、またやったらかかります。完全にかぶってしまうと、プラグをはずして清掃したり……最悪、けん引になりますけどね」
 そう説明してくれる三反田隊員。

「よくありますよ。冬はとくに」
 作業時間は、わずか10秒ほど。「いっつも上品なんですよね、JAFの隊員さん。落ちこませない。まるでよくあることのようにおっしゃって、私だけじゃないんだっていう気になりました」
 直子さんは、そう感動するのだが、三反田隊員は、簡単すぎる作業に恐縮しきりではあった。
(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

三反田孝志 隊員 43歳

西条基地。
「JAFの隊員は、誰が来てもいいね、っていうセリフをいただけるように、現場で、全力で尽くします」

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