お客様の声
〜JAF ストーリー〜

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2018年6月号

落輪

はじめてのJAF

お客様
見健司さん(57) - 静岡県

 見健司さんと奥さんは、ともに小学校の教員で、最近はよく、ご夫婦で食事に行ったり旅行に行ったりするそうだ。
「子どもがもう自立して、ふたりきりになったもんで、しゃれたところもいいじゃないかと……」

 昨年5月21 日の日曜日、人気のイタリアンレストランにランチに出かけた。おいしいと評判で、お客さんも多い。
「駐車スペースが、1台空いてたんですよ。だから、すぐに入らなきゃいけないと思って、あせってたかもしれない」
 レストラン前の道路をはさんで広い駐車場がある。そこにいったん車を入れて切り返し、バックしようとした瞬間、タイヤがキュルキュルと空転しているのを感じた。
「溝にはまったなという感覚はあったんだけど、ひょっしたら脱出できるんじゃないかと思って、ぐんぐん吹かしたりしたんですけど」
 まったく動かない。外に出て確認したところ、左前輪がすっぽりと溝に落ちていた。

「覚悟したんです。もうランチはだめだな、と」
 保険会社に電話しようかどうしようかと考えているときに、助手席で奥さんが「JAFを呼んだら?」と言った。30年もJAFの会員だったが、一度も呼んだことがない。
「そうかと思って……どうやって呼ぶんだろうと思って、まずJAFのカードがあったから……」
 免許証ケースに入っていた会員証の裏面を見て電話した。3時間くらいかかるだろうと覚悟していたが、オペレーターは、30分ほどで行けると言った。
「非常にこれは短い時間だなと思って。でも、レストランはあきらめたんです。もう無理だろうと」

 その日は、5月にもかかわらず、真夏のような暑さだった。救援にやってきた山下浩二隊員も、そのことをよく覚えていた。
「暑かったんですよ。なので、ぜひ、日陰にいるか、先に食べててくださいって言ったんです」
 山下隊員は、駐車場をふさぐかたちになるので、レッカー車は使えないと判断。ジャッキを何種類か準備することに決めて、近くに止めたレッカー車から道具を運び、作業に取りかかった。
「隊員さんは、ジャッキの種類も状況に応じて変えていき、少しずつやって……結局、車が傷つかない方法でやってくれてるんじゃないかなと思いました」
 恐縮しながら隊員の作業を見守っていた見さんは、丁寧さと気づかいに、少しばかり驚いた。
「とても丁寧でした。ああ、こんなに慎重にやってくださってるんだなって、感心させられました」

 隊員を見送ってから、ふたりは店に入りランチを楽しんだ。隊員の気づかいを思い出しながらの食事がおいしかった。
「すごくいい感じの対応だったもんで、妻もそれからすぐに入りました、家族会員に」
 そのことを伝えると、山下隊員は、とても喜んだ。
「でも、ほんとに、いつもやってる、ふつうの作業なんです」
(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

山下浩二 隊員 57歳

浜松西基地。
「もしお時間があるなら、いちばんリスクが少ない方法で、と思って提案させてもらっただけなんです」

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