お客様の声
〜JAF ストーリー〜

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2018年7月号

バッテリー

ふたりの隊員

お客様
小出浩さん(52) - 愛知県

 昨年の5月28日は、とても暑かった。小出浩さんは、20年近く乗っている愛車の大型バイクで、刈谷市内の家電量販店に出かけた。用事をすませて駐車場に戻ったところ、エンジンがかからない。

 「ほんで、押しがけしてみようと。3回やってかかんなかったもんで、あかん、これはと思って……」

 バッテリーは半年前に交換していた。複雑なトラブルの予感もして、JAFに電話をかけた。あいにく少し時間がかかると言われた。

 「熱中症にならないようにって、すごく心配されたんですよね。ああ大丈夫です、店のなかでも待機できますからって言って……」

 待っている間にトイレに行った。そのとき、うっかり、トイレにタンクバッグを忘れてしまった。タンクバッグというのは、燃料タンクに装着する小物入れだ。店内にいて10分もしないうちに気づいてトイレに戻ったが見当たらない。慌てて店員さんに聞くと、すでに交番に届けたと言われた。

 「ウソでしょ、この短時間の間に警察まで行っちゃうのって」

 文句を言ってもはじまらない。JAFを待つしかなかった。

 やってきたのは金子佳弘隊員。きょうは悪いことが続く、と、小出さんがしきりに嘆いていたのを覚えている。まず、基本的なオイルなどを調べてから、バッテリーの充電状況を測定した。バッテリーそのものではなく、発電機のほうに問題がありそうだった。

 搬送する提案もしたが、近くの交番まで行きたいと小出さんが要望したため、ポータブルバッテリーでエンジンをかけた。「途中で止まったときは、何度でもJAFを呼んでください」と、別れぎわに金子隊員が言った。

 交番で、バッグの受け取り手続きをしているときにも、エンジンは切らなかった。が、途中でまた止まってしまった。水温が上がり電動ファンが作動したため、電圧が下がったのだろうと小出さんは判断。交番を出たあと、向かいの郵便局にバイクを止めて、再度、JAFに電話した。JAFを待つ間、近くのバイクショップをスマートフォンで検索し、電話した。

 つぎにやってきたのは、加藤元弘隊員。バンタイプのサービスカーに乗ってきていた。

 「できれば、安全な方法を取りたいので、搬送を提案しました。ただ、搬送用の車両を待つので、少し時間がかかります、と」

 小出さんが電話していたバイクショップはそこから数キロの距離。

 「そこまで行ければいいから、エンジンをかけてくださいって」

 小出さんが言い、それならば、と、加藤隊員は、ショップまで先導することにした。

 「え、そこまでしてくれるのって思ったんですけど」

 と、小出さん。

 「またお客さまが不安な目に遭われてもいけないので、私もついていきます、ということで……」

 さわやかな青年と、いい感じのおじさん。ふたりの隊員のことを、小出さんはそう表現した。ちょうど1年前の記憶である。

(写真・文=松尾伸弥)

駆けつけた隊員

金子佳弘隊員(左)、加藤元弘隊員

「基地ではすごくおとなしいのに、お客さまの前では、しっかり対応しているんだなぁ」と、加藤隊員が金子隊員に。

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