ラジエターキャップが故障するとどうなる?

実験2:ラジエターキャップが故障するとどうなる?

実験内容

ラジエターキャップは、ラジエター内に圧力を加え、冷却液(ロング・ライフ・クーラント:LLC)の沸点を上げて冷却効率を高めています。テスト車のラジエターキャップの正常な開放圧力は0.9km/cm2でしたが、スプリングやパッキンの劣化により、この圧力が保てなくなった場合を想定してテストを行いました。
計測では、圧力が漏れるように加工したラジエターキャップを装着し、Dレンジでやや負荷をかけた状態にしてテストを開始しました。

プッシュ解放式ラジエターキャップの保持スプリングを外し、加圧機能を解除してテストを行った。

実験結果

テスト開始7分までは、冷却用電動ファンの冷却機能が働きLLCの温度は100℃以下を保っていました。しかし、ラジエターキャップの機能が低下しているため、エンジンが高温の時にリザーバータンクに送られたLLCが、エンジンが冷えても戻されずにラジエターに空気を吸い込んでしまいました。空気の混ざった状態でLLCが循環すると冷却効果が低下し、オーバーヒートに直結します。さらに、炎天下、エアコンのフル稼働、渋滞のノロノロ走行や冷却用電動ファン故障など悪条件が重なることを想定して、8分経過した時点で冷却用電動ファンを停止してみました。すると、90.1℃だった水温はグングン上昇し、 100℃を突破。そして、9分後には103.9℃にまで上がり、沸騰したLLCがリザーバータンク内に吹き出し、その後114.4℃まで上昇しました。この結果から、悪条件の中、何時間もの渋滞を強いられれば、十分にオーバーヒートになりうると予想できます。

水温上昇で体積が増えた冷却液はリザーバータンクに送られ、水温低下によりラジエターに戻る。

温度の上昇にともない沸騰したLLCがリザーバータンク内に噴き出した。

ラジエターキャップ破損状態での温度変化

[1500rpm、Dレンジで測定] (単位:℃)

経過時間 冷却水温度 エンジンオイル
温度
ATF温度
1分 85.6 86.6 89.5
2分 85.7 87.3 98.2
3分 87.9 87.8 101.5
4分 87.9 89.6 107.4
ここで冷却用電動ファンを1基止めてみると…
5分 89.4 90.3 103.5
6分 90.0 89.4 103.1
7分 90.1 90.4 104.5
さらにもう1基の冷却用電動ファンも止めると…
8分 98.0 91.7 106.0
9分 103.9 94.2 106.0
10分 109.1 95.4 101.4
11分 114.4 99.5 102.5

※テスト車における参考値なので、メーカーや車種によって数値などは異なります。

このページのトップへ